伊東 美緒
暴言・暴力などの攻撃的なBPSDが出現する前には不満の蓄積があります。この不満の種をケア専門職が発見し、早期に対応方法を変えることで関係性から生じるBPSDは回避することができると考えます。「不同意メッセージ」について、イラストを多く用いた教材を使ってケア専門職が学ぶことにより、BPSDを軽減することを目指しています。
パワーポイント資料は、イラストを用いてイメージしやすく、印象に残る教材を目指しました。職員からの誘導の連続によって、認知症の人が苛立ちを募らせ、それがBPSDとして表出される可能性について説明したうえで、BPSDが生じる前に示している認知症の人の"嫌"という意思を表現する「不同意メッセージ」の概念を紹介しています。そして不同意メッセージに気づいた時の対応の例を示しています。
不同意メッセージについて学んだあとで、BPSD発現予防シートを用いてグループワークを行います。できるだけ同じ病棟(フロア)のスタッフがグループを作り、同じ患者(利用者)について検討します。実際の自分たちのケアを振り返りながら、BPSD発現予防シートに記入することによって、ケアスタッフが行っている半強制的なケアに気づくことができます。良かれとおもって実施しているケアのあり方が認知症の人を追い詰めていることに気づいたら、その施設・スタッフで対応可能な方法を検討します。
活用する際には、ホームページなどのダウンロード元を明記してください。
現在、最終データを分析した結果について、研究論文を執筆しています。論文が受理されたら、検証データについて加筆します。
不同意メッセージについての教育教材(外部HP)
不同意メッセージによるBPSD発現予防シート(外部HP)
※公開元ホームページ:群馬大学大学院老年看護学研究室
本ウェブサイトは、日本医療研究開発機構(AMED)認知症研究開発事業の以下の研究の支援を受けて、開発・運営されています。
「認知症者等へのニーズ調査に基づいた『予防からはじまる原因疾患別のBPSD包括的・実践的治療指針』の作成と検証研究」
研究代表者 數井 裕光
「BPSDの解決につなげる各種評価法と、BPSDの包括的予防・治療指針の開発〜笑顔で穏やかな生活を支えるポジティブケア」
研究代表者 山口 晴保
「血液バイオマーカーと神経画像検査によるBPSDの生物学的基盤の解明、および認知症者の層別化に基づいたBPSD ケア・介入手法の開発研究」
研究代表者 數井 裕光