數井 裕光、 橋本 衛、 池田 学
認知症の人をケアする人に、BPSDを早期に発見してもらうために、4大認知症について、原因疾患別・重症度別に12種類のBPSDの頻度、重症度、介護負担度を整理した資材です。
BPSD出現予測マップは、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症の4大認知症ごとに作成されています。認知症の人の原因疾患にあったBPSD出現予測マップをご使用ください。幻覚、妄想などの各BPSDの頻度、重症度、介護負担度が、clinical dementia rating (CDR)0.5(認知症の疑いレベル、またはごく軽度の認知症)、CDR1(軽度認知症)、CDR2(中等度認知症)、CDR3(高度認知症)ごとにまとめられています。現在のCDR、あるいは進行して次のCDR段階になった時に、BPSD出現予測マップにおいて、高い確率で出現するという結果になっているBPSDについては、現在、そのBPSDが出現していなくても注意して、早期発見、早期対応に努めるという使用法が推奨されます。
BPSD出現予測マップは、わが国の認知症専門医療機関7施設のデータを元に作られましたが、精神科施設からご提供いただいたデータが多かったため、BPSDの頻度、重症度、介護負担度がやや高めになっている可能性があります。また明らかな合併がわかっている認知症の人のデータは除外されて本資材は作成されました。
本資材と「BPSD治療に役立つ介護サービスに関する情報」を利用した家族介護者と利用しなかった家族介護者との間で介護負担感の変化を調べたところ、利用した家族介護者の方が、介護負担感が減少する傾向が認められました。
BPSD出現予測マップ(アルツハイマー病の方用)
BPSD出現予測マップ(レビー小体型認知症の方用)
BPSD出現予測マップ(血管性認知症の方用)
BPSD出現予測マップ(前頭側頭葉変性症の方用)
本ウェブサイトは、日本医療研究開発機構(AMED)認知症研究開発事業の以下の研究の支援を受けて、開発・運営されています。
「認知症者等へのニーズ調査に基づいた『予防からはじまる原因疾患別のBPSD包括的・実践的治療指針』の作成と検証研究」
研究代表者 數井 裕光
「BPSDの解決につなげる各種評価法と、BPSDの包括的予防・治療指針の開発〜笑顔で穏やかな生活を支えるポジティブケア」
研究代表者 山口 晴保
「血液バイオマーカーと神経画像検査によるBPSDの生物学的基盤の解明、および認知症者の層別化に基づいたBPSD ケア・介入手法の開発研究」
研究代表者 數井 裕光