山川 みやえ
通所施設(デイサービス、デイケア、通所リハビリテーション)は、在宅ケアを続けていくのに、非常に重要です。そのため通所施設で目立ちやすい症状について理解し、その症状を緩和する活動を考えていくことが重要です。
通所施設は集団での関わりになってくるので、他の利用者との関係も重要です。そのため、BPSDのために他の利用者とのトラブルも起こり得ます。
900近くの介護施設で、認知症のある人のBPSDが原因で施設から病院への理由を考えるものとして、ほとんどの施設が興奮、異常行動、食行動異常、睡眠障害をあげています。通所施設の利用者のBPSDについてスタッフに実施した調査では、興奮が多いです。これは、通所施設の場では、やはり利用者同士のトラブルを避けたということが考えられます。
通所施設では、主に集団でする活動が多いため、他の利用者との関わりは必要ですが、興奮している人への関わり方を見直してみましょう。
コミュニケーション技法の内容を載せました。個別の関わり方だけでなく、施設内全体での雰囲気をよくする方法も紹介しています。一朝一夕に行かず、時間はかかりますが、その分働きやすい職場にもなりますので、参考にしてください。
検証は、通所施設ではなく、かなりBPSDの激しい方が多い病棟で行いましたので、施設の状況は異なります。しかし、認知症の人へのコミュニケーション技法はどんな人へでも重要なことですので、試してみてください。組織に定着させる方法も時間はかかりますが、結果的に本当に気持ちよく仕事できるようになるので根気よくチャレンジしてみてください。
本研究では、ある病院の病棟の中でのコミュニケーション技法の効果を検証したところ、認知症の人の興奮がおさまり、入浴ケアなどスムーズになりました。
本ウェブサイトは、日本医療研究開発機構(AMED)認知症研究開発事業の以下の研究の支援を受けて、開発・運営されています。
「認知症者等へのニーズ調査に基づいた『予防からはじまる原因疾患別のBPSD包括的・実践的治療指針』の作成と検証研究」
研究代表者 數井 裕光
「BPSDの解決につなげる各種評価法と、BPSDの包括的予防・治療指針の開発〜笑顔で穏やかな生活を支えるポジティブケア」
研究代表者 山口 晴保
「血液バイオマーカーと神経画像検査によるBPSDの生物学的基盤の解明、および認知症者の層別化に基づいたBPSD ケア・介入手法の開発研究」
研究代表者 數井 裕光