山川 みやえ
通所施設は、家族にとっては、長い在宅ケアの中で、介護以外の時間を持つためにも重要な介護保険サービスです。家族が心配している症状を緩和して、できるだけADLを下げないようにすることが重要です。
家族にとっては、長い在宅ケアの中で、介護以外の時間を持つためにも重要な介護保険サービスと言えます。しかし、ご本人にとっては、単なる時間をしのぐところではなく、できるだけADLが低下しないように、通所施設での時間の過ごし方は重要です。
家族は、認知症の方が1日中寝ているような、何もしていないような状態にあること(自発性の低下、といいます)を危惧しております。この状態がつづくと、日常生活に必要な食べる、歩くなどの能力が低下しやすくなります。できるだけ活動的に過ごせるため、自発性が低下している人には、様々な活動をあげる方法を集団、個人でアプローチしていくことも重要です。特に、認知症の人は言葉での理解やたくさんの情報処理が苦手になりますので、慣れないレクリエーションや言葉の複雑な理解を要するものは、相手の状況に合わせて慎重に選ぶ必要があります。
また、基本的な感覚に働きかけることが重要ですので、できるだけ、五感(見る、聴く、食べる(味わう)、匂う、触る)に働きかけるような関わり方をしましょう。
自発性の低下については、まだ効果的な方法を探索している現状であり、これが効果的であるということが言えません。ただ、同じレクリエーションでも個人によってアプローチが異なりますので、本人が何に反応するのかということをよく観察してチームで情報共有するようにするとよいでしょう。家族からヒントをもらったり、主治医や看護師から病気の特徴をきいて対応することも時には必要です。
本研究では、事例の蓄積になるので、「認知症ちえのわnet」の内容で良くなるケースもあることが示されています。
認知症ちえのわnet(外部HP)
認知活性化療法(外部HP)
※公開元ホームページ:中央法規出版株式会社
本ウェブサイトは、日本医療研究開発機構(AMED)認知症研究開発事業の以下の研究の支援を受けて、開発・運営されています。
「認知症者等へのニーズ調査に基づいた『予防からはじまる原因疾患別のBPSD包括的・実践的治療指針』の作成と検証研究」
研究代表者 數井 裕光
「BPSDの解決につなげる各種評価法と、BPSDの包括的予防・治療指針の開発〜笑顔で穏やかな生活を支えるポジティブケア」
研究代表者 山口 晴保
「血液バイオマーカーと神経画像検査によるBPSDの生物学的基盤の解明、および認知症者の層別化に基づいたBPSD ケア・介入手法の開発研究」
研究代表者 數井 裕光