内田 陽子
認知機能低下及び認知症をもつ患者や利用者に対して、BPSDの症状、生活やその人らしさ、介護者を含めて包括的にアセスメント、ケア、評価を一体化した包括的BPSDケアシステム®の手引書・評価票を作成しました。
複数の評価日を設定し、記入します。BPSDの3項目、生活・セルフケア行動の9項目、その人らしさの6項目、介護者の3項目の合計21項目について、対象者に該当するアセスメント番号を記入します(番号は0が正常で1〜4と数字が多くなると重度に設定)。つぎに、アウトカムを高めるケアの欄で実践したケアを実践したらチェックします。次回の評価日になったら、再び対象者のアセスメント番号を記入します。前回と今回のアセスメント番号を比較し、0から0の場合「最高値持続」、4から4の場合「最低値持続」、その他の番号で数字が変化していない場合「維持」、前回よりも数字が少なくなった場合は「改善」、多くなった場合「悪化」とアウトカム判定を行います。
アウトカム判定について、前回とのアセスメント番号と比較して判定を行いますが、同じ数字が並んでも、「最高値持続」、「最低値持続」、「維持」とあるので間違えないように手引書を参照してください。
下記論文で報告しています。また、包括的BPSDケアシステム®非介入・介入群設置の研究については、現在、この結果に関して研究論文作成中であるため、論文受理後に検証データ加筆の予定です。 ・内田陽子:包括的BPSDケアシステムの開発.認知症ケア研究誌 2:17-26,2018. ・内田陽子,岩崎彩華,小山晶子,清水みどり,河端裕美,橋陽子:病院における認知症ケアのアウトカム評価票の検討.認知症ケア研究誌 2:126-132,2018.
包括的BPSDケアシステム®の手引書・評価票「手書き記入方法版」(外部HP)
包括的BPSDケアシステム®の手引書・評価票「電子入力方法版」(外部HP)
※公開元ホームページ:群馬大学大学院老年看護学研究室
本ウェブサイトは、日本医療研究開発機構(AMED)認知症研究開発事業の以下の研究の支援を受けて、開発・運営されています。
「認知症者等へのニーズ調査に基づいた『予防からはじまる原因疾患別のBPSD包括的・実践的治療指針』の作成と検証研究」
研究代表者 數井 裕光
「BPSDの解決につなげる各種評価法と、BPSDの包括的予防・治療指針の開発〜笑顔で穏やかな生活を支えるポジティブケア」
研究代表者 山口 晴保
「血液バイオマーカーと神経画像検査によるBPSDの生物学的基盤の解明、および認知症者の層別化に基づいたBPSD ケア・介入手法の開発研究」
研究代表者 數井 裕光